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浮気相手に生まれた子供は同学年 #3

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結婚観の違い

カゲオと連絡先を交換したからと言って頻繁にやり取りをするわけでも何かが動き出すわけでもなく、日常はゆっくりと過ぎていく。
ただ私の中に生まれた心のモヤモヤが少し気になるだけ。

モヤモヤの原因はなんとなく分かっている。
好みのイケメンと最近接触が多いからといって、こんなことで揺れ動く自分がイヤだった。
いやぁ~ダメ女感が否めない…。

一朗とわたしの仕事が休みの日、元同棲していたアパートに泊まり一夜明けた朝。
朝食なんかを食べながらゆっくりと一朗にアノ話しを切り出してみた。

「一朗…ってさ、わたしとの結婚ってどう考えている」

結婚というワードをこんなに本気モードで口に出したのは4年間付き合う中で今が初めてだったと思う。
でも、わたしには自信があった。
2人で積み重ねてきた時間がある、色々なことがあったけど何とか乗り越えてきた。
どんな言い方をされるかはわからないけど、きっと返事は「YES」だって…。

「今まで付き合った中で豆との結婚を考えたことがなかったし、今すぐ結婚について考える気が」

一朗からの答えはNOでもなければ、完全なるYESでもなかった。
私が欲しい答えがそこにはなかったんだな。

のんびり屋でほとんど感情が表に出ない彼。

俺の気持ちはいつも平行線だよって大昔に言われたことを思い出した。
すぐに感情的になりがちな私からしたら、なんだか彼のその言葉が羨ましく頼もしかった。

あの時はね…。

「え?4年間付き合ってきたんだよ?今から考えるってナニ?」

あ、ヤバイ。自分の中でスイッチ入るのが分かった。

でも、止められないんだよねー。

「今まで一度も結婚とかを考えたことなかったの?」

「うん。だって豆付き合った最初の頃結婚はすぐにはしたくないって言ってたし、だから考えたことなかった。」

たんたんと話す彼。
いやいや、付き合った最初って、私も22歳でしたから!
そりゃ結婚はまだ考えてなかったよ!
あれから4年経ったのに、こいつは今まで何を考えて付き合って同棲してたんだ?!

あー止まらない、一朗への文句が止まらない。

ひょうひょうとした態度の一朗を目の前に言いたいことはたくさんあったけど、何を言っても無駄なような気がして何も言えなくなる。

これから考えるってわたしいくつになるの?
あと何年間結婚が見えない状態で一朗とまた同棲して付き合っていくの?
中途半端な状態をあと何年続ければこの人は結婚を意識してくれるの?

一朗を責める言葉しか出てこない。
今の2人の関係性にデメリットしか見えなくなってきてる。
感情ばかりが先走って自分でも子供だなってわかってる。
だけど一歩…何か一歩進みたかった。

結局、根性なしの私が先に折れてしまった。

「分かった…この先のことちょっと考えたい。距離を置きたいから会うの少しやめるね。」

「うん…」

一朗は特に引き留めてはくれなかった。
別れるって答えをだすかもしれない彼女が目の前にいるのに、うんとしか一朗は返してくれなかった。

わたしはそのまま静かに実家に帰る準備をした。
頭の中には「別れ」という言葉がぐるぐるまわってて泣きたい気持ちでいっぱいだったな。

▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #4へつづく

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