▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #1はこちらから
▶▶▶前回の話 #20はこちらから
99.9%の嘘
ゆる美の彼氏君と、とりあえず今すぐ直接話して欲しいことを告げ、私は一度カゲオとの電話を終わらせる。
しんと静まり返る病室内。
そう…わたし切迫流産の危険を回避するために、絶対安静で入院中なんですよね。
とんだ爆弾のプレゼントを貰っちゃったよね。
彼氏くんからの電話直後は心臓のドクドクが止まらなかったけど、やたら頭の中で「冷静にならなきゃ」を繰り返していたせいか…本当に冷静になれることができたみたい。
今はまだ、メールのやり取り程度でギャーギャー喚くレベルではない…。
この子のためにも穏便に終わらせて、また明日から普通の毎日に戻ろう。
大きく膨らんできたお腹を優しくさすりながら、改めて許す覚悟を私は決める。
カゲオに彼氏君と話して欲しいと電話を切ってから10分後、私の携帯に電話が入った。
次はカゲオからの着信だった。
「もしもし?」
「あ、もしもし?電話したよ。」
「ちゃんと彼氏君と話し合えた?」
「うん、てか誤解してすみませんでした!って謝ってきたしね。」
は・・・?誤解?
「誤解??」
「うん、メールのやり取りの内容について豆がどう聞いたか分からないけど、誤解なんだって!」
は・・・?
「私は彼氏君から二人が私の居ない間に会おうとしてるって内容で聞かされたけどね。」
その内容のどこをどう誤解して逆に謝罪する流れになるんでしょうか?
「とにかく、今回のメールのやり取りの内容についてはきちんと説明したし、彼氏君から謝罪の言葉もあったから俺はいいよ。」
はぁ…そうですか。
色々とまた突っ込みたいところ満載なんだが…。
先ほどやんわり許すと覚悟も決めた手前、この大嘘99.9%確定内容について触れるのもバカらしくなってしまった。
「じゃぁ、今後変な誤解を生まないためにも、ゆる美さんの連絡先はカゲオの携帯から消去して仕事以外で連絡は取り合わないようにしてね。」
「うん、わかった!心配かけてごめんな。」
「じゃぁ、おやすみなさい。」
つって、即電話切ってやった。
マジなんなのーーーーー!あいつーーーーー!!!
本当に信じられなーーーーい!
なんで嘘だと分かる100%の内容をあんなイキって言えるんですかーーーー!!!
天才詐欺師の申し子かなんかですかーーーーーー?!?!?!
あ、詐欺師は悟られないプロだから違うか。
もういい!!!
もう忘れる!!!
明日から平穏な日々を送ってやるんじゃ、私は。
そしてこの日の出来事を私は忘れることに決めたのです。
事実確認をすることになるのは、もう少し時が経ってからになるのでした。
▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #22へつづく