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黒に近いグレー。
彼氏君からのチクリ電話をいったん終了させたあと、私はすぐさまカゲオの携帯に発信連絡をした。
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…
こういう時の電話のコール音ってすごくすごく長く感じますよね。
コール音を聞く度に心臓がドクンッ…ドクンッ…と大きく鳴り響いて、まるで体全身がひとつの大きな心臓になってしまった感覚になる。
ってか、はよ電話に出ろよ…。
「はいはーい!どうした??」
呑気な声のカゲオがやっと電話に出る。
平和そうで何より…。
私は今からオマエを地獄に突き落とすかもしれません。
いやいや…、ダメダメ。
感情的にはならずに…きちんと冷静に話さなきゃ。
「さっき、ゆる美さんの彼氏君から私宛に電話がきてさ…。」
「…え?…彼氏君から?…。」
「カゲオとゆる美さんがメールで連絡を取り合ってるって教えてくれた。」
「んー…。」
はい、この「んー…。」からカゲオ、怒りモードに入ってます。
私、別に責め立てるような言い方してないんだけどね。
でも、絶対キレると思ってました。
「で、豆は彼氏君の話しだけを聞いて俺に電話してきたの?。」
「彼氏君の話しだけを聞いてカゲオを問い詰めることはできないから今、電話したんだよ。」
今、この瞬間の私…怒ってるんだけど人生最大に優しい口調で話せてるって自信しかない!!!!
電話口ではとりあえずカゲオに対して「私はあなたのこと今の段階で責めるつもりはないですよー。」「旦那さんなんだもん、信じてますよー。」のアピールをする。
カゲオ自身はメールの内容の解釈に誤解があると何とも苦しい言い訳をかましてました。
完全なる嘘だと分かっているし勘づいているよ。
だけど、私はこの一件をこれ以上オオゴトにする気がなくて早く終わらせたい気持ちでいっぱいでした。
現段階では、まだただのメールのやり取り…。
おふざけしただけ…。
色で言うならグレーでしょ。
ゆる美さんには彼氏君いるし、カゲオとのおふざけメールがバレた以上これ以上の暴走行為はしないだろう…という確信もあった。
だから、カゲオの小さい嘘を私は見逃し、お腹の赤ちゃんのためにも色々なことをゴックンと呑み込む選択をした。
どんなに黒に近いグレーだと分かっていても、全てなかった事に早くしたかったんです。
「とにかく、彼氏君に電話をしてカゲオと彼氏君でいったん話合ってほしいんだよね。」
相手もカゲオからの連絡待ってるし、と伝えてカゲオとの電話を終わらせた。
▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #21へつづく