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運命の出会い~いろいろな意味で~
急激な速さで親しくなるわたし達。
他愛のない会話が楽しくて、心がくすぐったかった。
ふとした瞬間、無言になるとカゲオがふざけてウィンクをしてくる。
ノリでわたしもカゲオにウィンクをし返す。
今考えるとゾッとするんですけど…2人の世界に入ってるこの時は「しょうがないよねぇ~!」としか今は言えない(ゾゾゾッ)
だいぶ気を許してきた頃…カゲオが何気なく言った。
「俺、ゆる美さんのこと好きなんだよね。今度、告白しようと思ってる」
ん?好きな人…?
乙女モードに入りかけていた私の脳はカゲオの言葉の意味を理解するのに5秒くらいかかった。
いや、そうか!好きな人いるのね、あなた。
と全速力で頭の中を切り替える。
変に思われないよう平静を装うのでした。
ゆる美さんは、わたし達の職場ではリーダー的役割で21歳という年齢の割に不思議な色気がありスタイルもそこそこ良い女性です。
(※ゆる美は後々わたしの宿敵となる存在です)
カゲオと並んでもお似合いっちゃお似合い…。
ああいう人がタイプなのか。
なんだか胸がチクりと痛む。
「そうなんだ~。カゲオくんなら絶対OKもらえるよ!」
と職場仲間としてエールを返すわたし。
一瞬チクリと痛んだ心を悟られないように演技できていたと思う。
「いや~微妙なんだよね、失恋したら慰めてね!」
おちゃらけながら、言うカゲオ。
大丈夫だよ!と笑顔で返すわたし。
イケメンって一般女子をかんたんにトキメかせて、次の瞬間に切なくさせる生き物なんだな。
気を付けよう…。静かに心の中で誓う豆なのでした。
(この時の教訓は全く生かされなかったんですけどね…泣)
就業時間も終わりに近づいた頃、カゲオがわたしのペンケースにゴミをポイッと入れていたずらする姿が視界の端に映る。
仕事する手をいったん中断してペンケースを覗くわたし。
「も~!ゴミはゴミ箱に入れてくださーい!」
と笑いながら返しつつ入れられた物を確認すると、ゴミのように見えたけどメモの切れ端だった。
中を開くとヤツの連絡先が書かれいた。
こうやって文章にするとなんともチンケな出来事なんですけどね。
乙女モードに片足突っ込んでいたわたしは彼の行動にドキドキしちゃったわけなんですよ。
「あ~連絡先か…」
なんて、嬉しく思っている自分を一生懸命隠してまたまた平静を装うわたし。
恥ずかしいのか返事はせずに仕事に打ち込むカゲオ。
別に一朗と付き合っている期間に異性と連絡先を交換し合うのなんて、今までだってあった。
何も特別なことじゃない、って自分に言い訳しながらカゲオの連絡先が書かれたメモ紙を失くさないようにお財布にしまう。
就業時間終了の合図で、わたしとカゲオはお互いに別々の帰路へつくのであった。
帰りの電車の中、メモ紙を見ながらカゲオの連絡先を登録しさっそく彼にメールをするわたし。
自分のメールアドレスと携帯電話番号を送る。
まぁ連絡先だけ交換して、その後やり取りがないこともよくあるし!
とりあえず送っとこ!軽い気持ちで送信した。
数秒後、すぐに携帯電話のコール音が鳴りだした。
着信相手は今携帯電話の連絡先に登録したばかりのカゲオからだった。
「もしもし…」
「あ、豆ちゃん?連絡ありがとう!俺も豆ちゃんの連絡先登録しといたからねー」
「あ、うん。ありがとうね」
「じゃ、また明日会社でねーおやすみ。」
「うん、おやすみなさーい」
特別長い電話でもなかった。会話内容だっていったて普通の挨拶だった。
だけど、ナニコレ?!数秒でも電話きて嬉しくなってる自分がいる!
ドキドキしているわたしがいる!
いや、これは本格的にヤバイ!なんとかせねば!
一人で焦り一人であわあわなる私。
完全に踊らされているじゃねーかよ!
イケメンって怖い…(パート2)
▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #3へつづく