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惚れた側の負け
復讐とは言っても大したことはできず…私はカゲオに行先も告げず帰る約束もせず家を出たのであった。
まぁ言うても痴話喧嘩。犬も食べない。
もちろん、お腹に授かった命が何より大切。
あんな酷い発言をされたとしてもお酒の席だし許すしかないんだろう…。
ココで潔く別れを選べるほどわたしも強くはない。
とりあえず、憂さ晴らしにわたしは女友達と1日中遊び溜まったストレスを発散することにしたのだ。
正直、会社でも家でもずーーーーーっとカゲオが傍にいる。
たまにはカゲオなしで女友達とキャッキャッウフフと遊びたかった。
そして、今日会う女友達は昨日の食事会に来てくれたメンバーの1人。
色々察してたんまり溜まったわたしの愚痴もきっと聞いてくれる。
今日は何もかも忘れて楽しく過ごすんだーーーーー!と気分を切り替えることにした。
久しぶりの友達とのお出かけは楽しくて楽しくて仕方なかった。
気になっていた映画を見て、美味しいランチを食べて、愚痴大会になってしまったがカフェでまったり過ごしたり。
本当にカゲオのことは忘れて1日中遊びまわった。
楽しい時間が過ぎるのはあっという間ですっかり夜遅くなっていた。
すると女友達の携帯が鳴る。
彼氏さんからの連絡かな?と思いきや…。
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと帰すから。今は〇〇公園にいるよ。」
ん?帰す?
不思議に思っていると友達が…。
「カゲオ、昨日はお酒の勢いであんなこと言ってたけどめちゃくちゃ豆のこと心配しているよ。」
と友達が言い出した。
え?
「もうすぐココに迎えに来るって、一緒に帰りな。」
どうやら、ヤツと友達は今日1日中連絡を取り合っていたらしい…。
なんだかな…。
やっぱりこの流れって許すしかないってことじゃないですか。
いや、分かってる。お酒の勢いでのこと。
いくら私が傷ついてとしても、別れる選択肢はほとんどない。
友達の話しではカゲオもだいぶ反省していると聞く。
もうこれ以上ゴネたって時間の無駄なんでしょう。
「豆ちゃーーーーーん!」
遠くからカゲオの姿が近づいてくる。しかも満面の笑みで。
くそっ。やっぱりかっこいいな…。
何も言わずとも迎えに来るなんて…。
元カレ一朗はめんどくさがって迎えになんて来なかったしな。
不覚にもちょっとキュンとした。
復讐してやると意気込んだものの…プチ家出は計った当日の夜には二人仲良く家に帰ってしまったのである。
カゲオが酔っていたとはいえ、あんな酷い発言をされたてすっごくムカついたのに…。
最後には許しちゃうんだから…やっぱり惚れた方が世の中負けなんですかね。
▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #17へつづく