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燃えたぎる復讐心
高級焼肉店の煌びやかなトイレの中でさんざん泣き叫び、少しスッキリしたわたし。
でも心の中はまだまだモヤモヤしている。
わたしは果たしてカゲオを許すことが出来るのだろうか…。
女友達に支えられながら重い足取りでカゲオ達の待つ席へゆっくりと戻る。
席へ戻ると先ほどまでの楽しく和やかな雰囲気は一変して、ずんっと重たい空気が漂っていた。
どうやら、わたしがトイレに引きこもっているいる間に周囲にいた友人達にカゲオはこってりと怒られたらしい。
酔った姿はなくしょんぼりと目を伏せて影がとても薄くなっていた。
「豆ちゃん、まぁアイツも本気で言ったわけじゃないし許してやりなよ。」
と声を掛けてきたのはインテリ先輩。
いや、アンタが元凶ですから!
「はあ…。」
とだけ返事をして、私はインテリ先輩の傍から離れ近づかないようにした。
すっかり空気も悪くなったところで、食事会は解散の流れになる。
しょんぼり萎んだ風船のようになったカゲオを連れて、わたしは今から家に帰らなければいけない。
地獄か?!と心の中で叫んでいた。
もう二度とインテリ先輩の集まりには絶対に絶対に参加してやらない!と硬く誓う。
心配する友人達に、これ以上迷惑はかけれない気持ちもあり大丈夫じゃない「大丈夫!」を伝えて、わたしとカゲオはタクシーに乗り込み帰宅した。
シーンとする車内。
沈黙に耐えられなかったのはカゲオの方だった。
「豆ちゃん…ごめんね。」
今、この場でごめんねなんて言われて「うん、いいよ。」って言えるのは超絶美貌の女神様くらいでしょ。
シカトした。
無反応なわたしの態度にガックリと肩を落とすカゲオ。
どうせ、今何を言ったって…しょせん酔いちくれ…。
お酒の席の出来事なんだから大目に見なきゃいけないのは頭では分かっている。
だけど!!!!やっぱり許せない。
わたしが居なけりゃゆる美に行ったというその発言…絶対に許せない!!!
そもそも振られたくせに!!!!何が行っただ!!!!
もう1回告白してまた振られて来い!!!!
じわじわと怒りがまた混み上げてくる。
でも今はぶつけない。
明日、お酒が抜けて正気に戻ったときに絶対に復讐してやる!!!
ネチネチと…コレ以上にないくらい責め立ててやる!!!
エンジン音だけが響くタクシーの車内でわたしはカゲオへの復讐を企てるのであった。
▶▶▶浮気相手に生まれた子供は同学年 #15へつづく